
開発秘話
「人にやさしい介護支援機器開発プロジェクト事業」
歩くことをあきらめない歩行器「たぁ~くん」
京都試作センター様からのご依頼でお手伝いからのスタートから始まったこのプロジェクト。
ようやく試作機は完成し、納期を迎える事ができました。
翌年も引き続きプロジェクト事業が行われるとの事で前期の試作機の改善ポイントなどを洗い直し、再び最高のものづくりを目指してプロジェクトへの申込みをしました。そして申し込みが採択され再び開発が始まりました。
弊社の長年の開発経験、知識を応用しながらも、特別養護老人ホーム様の利用者さんや理学療法士さんなど様々な方からのご意見を参考に歩行器の開発が進行していきました。

「人にやさしい介護支援機器開発プロジェクト事業」
開発にあたっての課題
試作センター様からの条件が
1.「電池、電気を使わない」
2.「立ち上がり、着座が可能な補助具」
3.「ベルトや金具を使わない」
4.「3人が2人、2人が1人と少ない人数でも作業ができる人手不足を解消できる物」
5.「稼働時に手の自由度があり使用できる物」
これらの課題をすべて合わせた「歩行器」を製作してほしいとのことでした。
社内で検討し開発を進めながらも、そんな製品が出来るのか?
と不安でしたが、試行錯誤に次ぐ試行錯誤の中、冒険に近い感覚と武者震い。そこで突然開発のヒントがひらめきました。
「足」が使用できるなら手の自由度は上がる。
「足」を使って上下の動きを補助できる機構を開発しよう。
そうだ!「テコの原理」だ!
長きにわたる課題の答えが出ました。
そして「テコの原理」を応用した試作機が完成しました。

開発に携わったツワモノ達

工場長
はじめまして!津島鉄工所製造部門の津嶋と申します。今回専門分野と全く異なる「歩行器」の開発に携わることができ、また更に経験を深めることができました。
「開発にあたり苦労した点」
ハンドル部分のバーリング加工が難しく、歪みを出さないようにするのが大変でした。
歩行器を組み立てる前に左右のガタツキが出ないように調節しないといけないのでそこが難しかった。
ご使用になられる方の力に少しでもなれれば幸いです!

設計担当
はじめまして。今回歩行器の設計を担当しました奥井です。
「苦労した点」
歩行器の上下機構に頭を悩ませました。何度も修正しなければならず日々悶々としておりましたがいざ完成すると仕事の幅が大きく広がったな、と感じました。
色々大変なこともおおかったですが、自分が設計した歩行器が形になった時に頑張って良かったなと思いました。あと、利用者さんが実際使用してみて褒めて頂いた時とか感動しましたね。展示会で弊社の歩行器を見て、こんな歩行器見た事ない!!と驚いているのを見た時などもそうでした。

溶接担当
はじめまして。歩行器の溶接を担当させていただきました森と申します!
「苦労した点」
油圧ダンパーの角度を正面からみた時に90度に立たせるのに苦労した。
フレームをパイプで製作する際に内側に次いで溶接するので、どうしても平均がとれずバランスが内側に寄ってしまうので平行になる様に調節しながら溶接するのが大変でした。
完成して利用者様からの感謝のお言葉など頂いた際には泥浴も報われたな、と感じ感動ひとしおです。